2019年度 「用水と多摩川流域」基礎講座①『用水の果たした役割 PARTⅠ』

令和元年6月22日(土)かわさき市民活動センター会議室にて、当団体令和元年助成金事業の基礎講座①が実施されました。梅雨の薄曇りの中でしたが、17名の一般市民の方に参加していただきました。

講師は、一作年度・昨年度に引き続き、神奈川県立歴史博物館の望月一樹氏をお迎えして「用水の果たした役割PARTⅠ」(多摩川右岸を中心に)と題して講義をしていただきました。

令和元年6月22日(土)かわさき市民活動センター会議室にて、当団体令和元年助成金事業の基礎講座①が実施されました。梅雨の薄曇りの中でしたが、17名の一般市民の方に参加していただきました。

講師は、一作年度・昨年度に引き続き、神奈川県立歴史博物館の望月一樹氏をお迎えして「用水の果たした役割PARTⅠ」(多摩川右岸を中心に)と題して講義をしていただきました。

講座は多摩川の概要の説明から始まり、次いで稲城市の大丸から取水され、川崎市域では菅・中野島・生田・登戸を潤した大丸用水について話されました。10:23から大丸用水の取水口について、10:30ごろから流路についての話があり、取水口から現在の川崎市域の村々にどのように水が流されたか、絵図を用いながら講義されました。10:46からは大丸用水がどのように管理されたか、それぞれの村々がどの程度、大丸用水に依存していたかなどの話がありました。

10:58からは多摩区内の二箇所から取水される二ヶ領用水に話が移りました。こちらも絵図や概念図を用いながら、最初に概要について、次いで二ヶ領用水の取水口について、取水口の変遷に関する諸説を含めて話されました。11:07から流路の話になり、上河原堰から分量樋、川崎堀の七つ堰について、どのように分水されたかなどの話がありました。11:14からは用水の維持管理について二ヶ領用水を利用する村々がどのように用水組合を組織してその村々の用水への依存度と負担率の関係などが語られました。

講座は多摩川の概要の説明から始まり、次いで稲城市の大丸から取水され、川崎市域では菅・中野島・生田・登戸を潤した大丸用水について話されました。10:23から大丸用水の取水口について、10:30ごろから流路についての話があり、取水口から現在の川崎市域の村々にどのように水が流されたか、絵図を用いながら講義されました。10:46からは大丸用水がどのように管理されたか、それぞれの村々がどの程度、大丸用水に依存していたかなどの話がありました。

10:58からは多摩区内の二箇所から取水される二ヶ領用水に話が移りました。こちらも絵図や概念図を用いながら、最初に概要について、次いで二ヶ領用水の取水口について、取水口の変遷に関する諸説を含めて話されました。11:07から流路の話になり、上河原堰から分量樋、川崎堀の七つ堰について、どのように分水されたかなどの話がありました。11:14からは用水の維持管理について、二ヶ領用水を利用する村々がどのように用水組合を組織して、その村々の用水への依存度と負担率の関係などが語られました。

次いで当団体から10月以降に行われる現地見学のガイダンスが各コースの担当者からあり、予定通り12:00過ぎに全て終了しました。

望月氏には充実した講義を行っていただき、また参加者も熱心に聴講していただいたお蔭もあり、今年度も盛況なうちに基礎講座①を終えることができたと思います。

    今回の内容と、7月中に行われる基礎講座②③の内容をあわせて、10月以降の現地見学に繋げていきたいと考えています。なお基礎講座②③、現地見学の各回については随時参加者募集中です。

2019年度 「用水と多摩川流域」基礎講座②『紙漉き』(多摩川の紙漉き)

令和元年7月20日(土)川崎市橘リサイクルコミュニティーセンター第2会議室にて、当団体令和元年助成金事業の基礎講座②が実施されました。梅雨の薄曇りの中でしたが、8名の一般市民の方に参加していただきました。

講師は、昨年度に引き続き、稲田郷土史会会長の鶴見邦男氏お願いし、「紙漉き」(多摩川の紙漉き)と題して講義をしていただきました。

10:00に開始し、当団体代表の江原よりミューラボの紹介があり、その後、本日の講師鶴見氏の紹介がありました。10:05より講座が始まりました。

最初に紙漉きと多摩川との関わりの中で、多摩区あたりで紙漉きが盛んになった理由や江戸時代から平成までの歴史についての概要説明がありました。

 次に和紙の原料の説明後、多摩川での紙漉きを江戸中期~、明治~、昭和~と時代区分に分けて、玉川和唐紙、浅草氏・桜花紙、古紙(機械漉き)と具体的な話をされ、大変興味深く聴講することができました。

 次に和紙の原料の説明後、多摩川での紙漉きを江戸中期~、明治~、昭和~と時代区分に分けて、玉川和唐紙、浅草氏・桜花紙、古紙(機械漉き)と具体的な話をされ、大変興味深く聴講することができました。


2019年度 「用水と多摩川流域」体験教室『紙漉き』

令和元年7月20日(土)13時30分より川崎市橘リサイクルコミュニティーセンター2実習室にて、当団体令和元年助成金事業の体験教室「紙漉き」基礎講座②が実施されました。小学1年生親子連れ含めて8名の一般市民の方に参加していただきました。

初めにミューラボ代表の江原から挨拶があり、続いて当センター長の柳沢氏からセンターの役割や紙漉きに関わるリサイクル紙の説明がありました。

センターのスタッフやミューラボスタッフにより紙漉きの手順・操作を参加者の皆さんに見てもらいながら、まずは一緒に行いました。網を挟んだ木枠にとろとろに溶けた紙をすくいます。”小学1年生も一生懸命に紙をすくっていますね。”


紙漉きに入れる材料(紙ナフキンなどに描かれたデザイン、押し花など)を選んでい射る様子。

トッピングした材料を紙漉きの表面に配置します。その後木脇をとり、網を両手で合わせる様にして水切りをします。その後さらに硬質スポンジと木版で嵩み込み水分を落とします。

アイロンがけをして紙漉きに含まれる水分を取り除きます。その後、乾燥させ、本などに挟み込みゆがまないようにします。



皆さん思い思いの作品(はがきやしおり)を何枚も作り上げていました。この紙漉きに参加されたすべての皆さんが、説明も含め一連の行程すべてに満足されました(アンケート結果から)。予定の3時30分に無事に終了しました。小学生のご家族は、気に入ったトッピング・紙玉(紙漉きの紙を丸くまとめたもの)をもらい、自宅に帰ってから紙漉きにチャレンジするとのことでした。

楽しかった!やってみたい!という方ばかりでした。

2019年度 「用水と多摩川流域」基礎講座③『紺屋』(用水の染物)

令和元年7月27日(土)10時45分より生田緑地整備事務所2F市民活動室にて、当団体令和元年助成金事業の基礎講座③「紺屋」用水の染物が実施されました。6名の一般市民の方に参加していただきました。

初めにミューラボ代表の江原から挨拶があり、講座が開始されました。

なお、講師の都合により、先に「千年の紺屋」記録ビデオを視聴しました。江戸より紺屋を続けている清水染物店の藍染の技量の様子を四代目を中心に記録したドキュメンタリー。その工程に地下水や二ヶ領用水(根方堀)が利用されていた。

初めに大山街道筋での紺屋の概要説明がありました。

次に江戸期には紺屋が2軒、上と下。上の紺屋「伊東染色店」と下の紺屋「池田屋染物工場」についての話しがありました。当時の写真があり、その様子が忍ばれました。

続いて関東大震災後、水が必要なために染物工場が、溝口に引っ越してきた。「藤江染工場」、「更庄」・「更慶捺染工場」、「水谷糊置染工場」や「橘屋染物屋」についての説明がありました。大量の地下水や平瀬川の水を利用していたとのこと。現在、溝口には染色関係はわずかしか残っていない。


2019年度 「用水と多摩川流域」体験教室『藍染』

生田緑地内にあります伝統工芸館で「藍染」体験が14時から15時30分に実施されました。

台風や暑さのせいもあり、キャンセルが相次ぎ、参加者は2名でした。

「藍染」液が入ったカメです。藍染液が少なくなると新しい液をつぎ足すそうです。いい色が出るまで調整するそうです。

工芸館の担当のかたより、「藍染」手順について、各工程の説明があります。それに則って「藍染」作品を手掛けます。


白い綿のハンカチやバンダナに、染まらない部分をビー玉などを使用し輪ゴムなどで止めます。1回目の染色を行います。取り出し、空気に触れる様に広げます。2回目の染色を行います。最後に水洗いをして完成です。水落ちするので何回か濯ぐと良いでしょう!

参加者は思い思いの作品ができたようでした!

2019年度 現地見学①コース(登戸~溝口)散策

当日は朝6:00時点で強い雨が降っていましたが、散策開始の9時には雨雲が抜ける模様との予報から、実施する運びとなりました。台風19号後や当日の雨により、参加者は当初予定の半分の6名となりました。

出発前に、足元が悪いことと台風19号による多摩川河川敷の被害や二ヶ領用水散策路の悪路が予想されるので、参加者の皆さんには、代表の江原から「安全対策のために留意した行程をとります」ということをお伝えしました。

参加者の方々からは、少人数のためか、ガイドの解説がよく聞き取れてとても良かったとの感想が寄せられました。

9:45 宿河原堰に到着しました。魚道が見える高水敷は、大水で河原の地面がめく上がり立ち入り禁止になっていました。

二ヶ領用水宿河原線にでました。多摩川からの取水口は、多摩川が濁流のため閉まっていました。

八幡神社・五ケ゚村堀に到着しました。屋台がでており、神社は本日縁日のようでした。


八幡下入桶に到着し、パネルを活用しわかり易くガイド説明が行われました。

緑化センターの庭を五ケ゚村堀用水が二ヶ領用水の水路上で立体交差になっています。

緑化センターで小休憩し、10:30に出発しました。

上河原(中野島)用水と宿河原用水の合流点に10:40に到着しました。例年より上河原用水の水量がかなり増していました。


その後、久地の横土手、分量樋跡を見学し、11:10に久地の円筒分水に到着しました。多摩川からの泥水を防ぐために取水ゲートが締め切っていたため、円周部から越流する円筒分水の分流は見られませんでした。

円筒分水・周辺等の説明と参加者インタビューを行い、本日の散策は終了としました。その後、暗渠の根方堀の上を歩き参加者を溝ノ口駅に案内し、散会となりました。

今回、台風の後遺症により、本来の二ヶ領用水の流れを見ることができませんでしたが、少人数の参加ということも有り、ガイド説明も聞き易く、資料も周到に準備されていて、参加者の皆さんにとっては満足されたのではないかと思います。安全な迂回経路を選択したことで、先導が少し早足になっていまったようですが、無事に予定時間通りに終了しました。参加した皆さんのご協力を感謝したします。次回の現地見学②の散策も是非ご期待ください。

 現地見学①コースの様子は、下記のYouTubeでもご覧いただけます。

2019年度 現地見学②コース(中野島~向ヶ丘遊園)散策

第2回の現地見学は第1回(10月19日)の天候状況と違い、11月でありながら爽やかな晴れの状況で始まりました。

午前9時過ぎに、最初に代表の江原から「今回は概ね歩きやすいコースですが、十分注意しながら行きます」との話があり、本日の説明担当の中村がコース概要の説明があり、出発しました。 

まず、座学での話がありました紙漉関係の田村家関係のお墓がある「是法庵」に行き、和製唐紙祖の田村文平墓で関係するその他のお墓を見ました。

その後、多摩川を目指し集合した中野島駅を過ぎ、以前は㈱キトーで、現在は高層マンションある付近に多摩川の筏流しの筏師の帰りに利用したといわれてる筏道の説明がありました。 

漸くして多摩川の堤防に出て、上流に見える上河原堰(中野島堰)近くまで行き、蛇籠堰から現在の上河原堰に至る説明がありました。 またその手前の新三沢川についての説明があり、いよいよ二ヶ領用水の上河原取入口に向かい、現在は取水口近くにある工業用水のために利用されている状況の説明がありました。今回の現地見学の目玉である、二ヶ領用水と大丸用水関連として、新三沢川に大丸用水が流れている場所の確認もありました。新三沢川が出来るまでは、菅地区から中野島地区まで利用していました。


二ヶ領用水を橋本橋さらに台和橋までは、川とのふれあいを目的とした親水事業で、用水路自体に様々な工事施工が行われています。 大丸用水の痕跡としては、何箇所かありましたが、二ヶ領用水の上を掛樋で通して、中野島地区の多くの水田は利用していたことが理解できました。 さらに途中旧三沢川の痕跡として、三沢橋の欄干が見え現在との比較がよく分かったと思います。 

橋本橋まで来ると、丁度南北を道路が通り賑やかな場所でもあり、古い石の道標もあり昭和初期の様子が見られます。 さらに下り、一本圦樋堰と紺屋前堰に行き、二ヶ領用水からの分水の場所を確認しました。まわりの様子が随分変遷して田圃は少なく二ヶ領用水の利用は殆どなくなってしまいました。特に紺屋前堰は用水を利用した紺屋が近くにあったといわれてます。

近年に台和橋が新しく架橋されて、欄干には二ヶ領用水開削の始祖小泉次大夫のレリーフがはめ込まれてます。橋の南には多摩丘陵の麓から流れくる山下川が合流しています。 さらに下ると、豊富な地下水を利用しての紙漉の工場(現在における再生紙?)が多くありました。


新川橋まで来ると、二ヶ領用水はコンクリート擁壁になってしまい、橋の近くの中央付近には東京都へ飲料水を送るための水道管が見ることができます。 旧津久井道の面影もなくなった場所(小泉橋)を訪れ、現在マンションとなった紀伊国屋や昔は石造りであった小泉橋を想い、すぐ近くの榎戸堰(現在はない)付近を訪れました。豊富な水量を三方に分け、堰は蛇籠で造られ、笹を堰に継ぎ足し利用していたと言われています。

最後に、稲生跨線橋前で、参加者からお話を聞き、第二回の現地見学を終わりました。

追加として、稲生跨線橋を越えた場所については、平成初期まで機械漉での製紙工場があったことを確認し、さらに五反田川との合流地点等を確認し現在五反田川の放水路が建設中である事の説明もありました。

今回は天候も良く、時間も概ねスムーズに進行したと思いました。

※現地見学②コースの様子は、YouTubeでもご覧いただけます。


2019年度 現地見学③コース(溝口~武蔵小杉)散策

令和2年1月18日、現地見学③が行われました。天気は見学を決行するか否かを判断する6時頃は曇りだったのですが、実際の見学の時間には、雨時々雪で、たまに風も強くなるという荒天になってしまいました。それにもかかわらず、13名もの方に参加していただき、大変ありがたかったです。

JR武蔵溝ノ口駅改札前に集合し、大体の人数が揃ったため、定刻よりやや早く、8:57から開始しました。当団体代表・江原からの挨拶、続いてガイド担当の青木から本日のコースの説明などがあったあと、9:05に出発しました。

9:13に最初の見学ポイントである大山道(矢倉沢往還)にかかっていた栄橋の跡を見学しました。


宗隆寺門前、溝口神社を経て、9:28大石橋から川崎堀に沿って歩きました。

9:44には旧平瀬川と旧川崎堀が合流する地点を見学し、トイレ休憩を挟み川崎堀から少し離れて、二子に現存するトロリーバスの車体と二子塚跡付近を見学しました。

そこから10:08川崎堀の旧流路跡である二子坂戸緑道に入り、10:15に緑道下流側出口にある坂戸橋と供養塔を見学しました。


このあたりで川崎堀の新流路と旧流路が接近するのですが、今年度は旧流路を通ることにしました。旧流路は既に車道として整備されていますが、緩く蛇行する様子や周囲より低いところにあるなど、往時の姿を偲ばせてくれます。また、途中、坂戸神社にも立ち寄りました。

旧流路が第三京浜の高架にぶつかるところで、北側の新流路に戻り、すぐに中原区へ突入、10:45には2回目のトイレ休憩を挟みました。

10:51には出発して、川崎堀沿いに井田堰、宮内水門、木月堰などを見学し、11:28に泉澤寺の前を通過しました。


11:38には今井神社とその前を流れた今井堀を確認し、11:45本日のゴールである二ヶ領用水の吐水路である渋川との分流地点にたどり着き、ここで代表・江原からの挨拶があり、解散としました。

その後、希望者のみ、久地の円筒分水の設計などを行った平賀栄治の墓を見学しました。 また、同時に参加者インタビューも行いました。ご協力、ありがとうございました。

おかげさまをもちまして、この現地見学③で今年度の助成金によるミューラボの講座・体験教室・現地見学は全て終了しました。参加の皆様からは、様々なご意見・ご感想・要望をいただいております。それらに応えられるように次年度以降も活動していきたいと考えております。